11月18日 仙台市蒲生 「石炭火力 NO!」 住民の拠点施設で太陽光発電開始へ

DSC_0758.JPG自然再生エネルギーの普及にあたっている市民団体「きらきら発電市民発電所」が、蒲生地区で太陽光発電パネルの設置工事を始めた。元住民で「蒲生のまちづくりを考える会」代表の笹谷由夫さん(74)が、自宅跡地近くに建てた「舟要洞場(しゅうようどうじょう)」の屋根に48枚の太陽光パネルを取り付けるものだ。10KW程度の発電をして、賃貸料に替えて電気を建物に供給する。余剰電力は東北電力に売却する。
建設費330万円は寄付で賄う方針で広く呼びかけていたが、これまでに目標を上回る協力が寄せられた。今月28日に発電所の開所式をおこなう。
DSC_0747.JPGDSC_0742.JPG笹谷さんは東日本大震災で当時20歳と、19歳の長男・舟一さんと、次男・要司さんを亡くした。自宅跡地に子どもたちを供養する観音像と建物を自力で建てた。ところが、防潮堤の工事に伴って移転を迫られ、昨年の5月自宅跡地から500メートル離れた現在地に新たに140平方メートルの事務所を建てた。息子さんたちを供養する思いをこめて「舟要洞場」と名付けた。「まちづくりを考える会」の例会が開かれるなど、住民たちの交流の拠点ともなっている。

蒲生地区では伊藤忠商事などが出資した11,2万KWの石炭火力発電所「仙台パワーステーション」が、住民たちの反対をよそに2017年10月から操業を続けている。
DSC_0737.JPGimg_sendai-biomass[1].jpg写真上:白煙をあげる仙台パワーステーション。下:「仙台蒲生バイオマス発電所」の完成予想図(レノバのHPから)。
仙台パワーステーションは舟要洞場からおよそ700メートル。1日900トンの石炭を燃やす煙突から、この日も白煙を青空に立ち昇っていた。このあと、仙台港では住友商事が出資する11,2万KWの「高松火力発電所(仮称)」と、レノバが出資する7,5万KWの「仙台蒲生バイオマス発電所(仮称)」が、いずれも2023年度中の運転開始を目指して計画が進んでいる。
さらに食品廃棄物を利用した発電所も進出予定で、蒲生一帯は一大発電拠点になろうとしている。

いずれも木質ペレットなどを燃やすバイオマス発電で、「カーボン・ニュートラル」となり地球温暖化につながらないと事業者側は説明する。ペレットを燃やすことでC02は発生するが、植林によってCO2を吸収する樹木が育つので差し引きゼロになるという理屈だ。

しかし、自然再生エネルギーを推進する市民団体や研究者の多くが、これには論理の矛盾があると指摘する。
〇木材を破砕して固めたものが木質ペレット。製造過程で多くの温室効果ガスが発生する。
〇木質ペレットの多くは北米や東南アジアから輸入される。輸送時に発生する温室効果ガスも考慮する必要がある。
〇大規模に伐採された森林が確実に植林で再生する保証はない。仮に植林されるとしても、森林が育つまでの数10年のタイムラグは無視できない。

舟要洞場の太陽光発電所は「市民発電所」グループが手掛けるものとしては6基目となる。グループでは広く市民の寄付で完成するこの発電所を、仙台パワーステーションをはじめ温暖化防止に逆行する動きへの抗議の意思を込めた拠点として守り育てたいという。

震災前、1500世帯が暮らしていた蒲生地区は工場や、事業所が建ち並ぶ場所へと日々姿を変えつつある。
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笹谷由夫さんは、姿が変わろうとも蒲生は亡くなった息子たちにとっても、自身にとってもふるさとですと話す。これからは、電気代負担の心配がなくなるので、多くの方々に気軽に利用してもらいたいと話す。
「このままでは、元住民が立ち寄る場所もなくなりかねない。豊かな自然にあふれた蒲生干潟を観察する活動も含め、舟要洞場を住民たちの交流の拠点として生かしていきたい」(了)

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