8月17日 仙台市荒浜 「皆さん帰れるよう 灯りを点そう」 貞山堀で灯ろう流し

DSC_0783.JPG仙台市荒浜地区の貞山堀で、送り盆恒例の灯ろう流しが行われた。元住民や支援の団体などでつくる実行委員会の主催。午後6時半、はるか西の蔵王連峰に陽が沈んだところで持ち寄った200個の灯ろうが水面にゆらりと揺れた。津波で壊滅的な被害を受け、無人の街となったあとも元住民たちは震災前からの行事を守り続けてきた。街灯が流され危険なため震災後は日中に行われてきたが、周辺の道路整備がすすむなど安全確保ができたため去年から夜の灯ろう流しが復活した。

灯ろうには個人の名前とともに「安らかに」といった言葉が書かれている。浄土寺の住職の読経と、ご婦人たちの念仏講のご詠歌が流れる中、
震災の犠牲者を悼む想いを乗せて灯ろうが水面をただよう。
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元住民で荒井東地区に自宅を再建したという70歳台の女性はこう話した。
「震災前は提灯が堀の両岸を照らし、売店もでた。賑わいは及びませんが、こういう機会でもなければ故郷に足を運ぶことがありません。無人になったこの街に少しでも賑わいが戻るよう是非続けてもらいたい」。

震災から8年5か月余。内陸部への移転や、公営住宅への入居などがほぼ終わった。人々の暮らしは落ち着きを取り戻したかに見えるが、一旦崩れた人々のつながり・コミュニテイをどう紡ぎ直すかなど悩みは大きい。
水面に浮かんだ灯ろうが、8年余の歳月をくぐり抜けてきた人々の心に柔らかな灯りを届けていた。
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45年前、荒浜地区では灯ろう流しのあと海岸で花火が打ち上げられたという。この話を聞いた若者が花火の復活を提案し、資金協力も得られた。荒浜の空に10数発の花火が打ち上げられた。
45年ぶりの花火に歓声があがった。

去年と同じように運営は若い世代が中心となった。実行委員会の代表、高山智行さんがこうあいさつした。
「こうして灯りを点し続けていれば、いつかは皆さん、かつての住民の方々が帰ってくるのではと願っています。元住民の方々が集える場にもしたいと思います」。
地域・暮らしの記憶と、亡き人への想いをつなぐ場は、若い世代がしっかり受け継いだ。(了)
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