9月15日 仙台湾岸  海浜植物を植え ふるさと再生後押し~北海道からも援軍

画像

高さ7,2メートル、コンクリートの防潮堤が海辺をかためた仙台湾岸。これまで25キロメートルが完成した。万里の長城を思わせる光景が拡がる砂浜に久しぶりにこの日歓声がこだました。海浜植物の保護活動をすすめる市民団体のメンバー、それに地元の新浜町内会のメンバーおよそ50人がハマヒルガオやハマニガナなどを植え直した。防潮堤の工事をすすめる国土交通省の協力をえた。

津波で大きな被害を受けた仙台湾岸。砂浜は壊滅的な被害を受け、海浜性の動植物は一時姿を消した。しかし、動植物の”復興”は予想を上回るものだった。「南蒲生、砂浜海岸エコトーンモニタリングネットワーク」など市民団体が確認した。津波で流された砂浜がすこしづつ復活し、ハマヒルガオなどが自生し始めていた。しかし、動植物はあらたな脅威にさらされていた。防潮堤と、海岸林復旧のための大規模な土盛り工事である。「第二の津波」、せっかく再生した海浜性の動植物が姿を消すのではないか。
北海道・札幌を拠点に活動をすすめる「北の里浜 花のかけはしネットワーク」も同様の危機感を共有した。去年から再生した仙台湾岸の海浜植物の種子を採取して、苗を北海道で育てる活動を始めた。地元の植物のDNAが混入しないよう工夫も重ねた。今回は代表の鈴木玲(あきら)さんら6人が駆けつけた。

この日、用意した植物の種子や苗は、北海道の施設などで育てられたものだ。
画像
画像

種子と苗はハマボウフウや、ウンラン、ケカモノハシなど5種類。種子やポットで育てられた苗は砂浜を掘って丁寧に植えられた。再生状況を確認するため50センチ区画で植えた。いずれも仙台湾岸で採集されたもので、里帰りしたことになる。立派に育つよう願いをこめて、植えたところに参加者は水をかけていた。

市民団体では1か月ごとにどの程度再生したかモニタリングを行う。種子の方は、ハマニガナは早ければ2週間程度で発芽するが、ほかの植物はひと冬越して来春に発芽するという。
画像
画像

植栽した場所のすぐ近くに、ハマヒルガオが自生していた。ハマボウフウも根付いていた。小さな柵は国土交通省が設けたものか。コンクリート行政一点張りではないようで、ほっとする。ハマボウフウは食用として海辺の人々に親しまれた。湯がいて酢ミソあえにすると、酒の肴。町内会のメンバーが思い出を語る。

万里の長城を思わせる防潮堤の外側の砂浜は決して広くない。肩をすくめているかのような”広さ”でしかない。植栽地にたどりつくにも、国交省の方の案内で車を10分余り走らせて着いた。海との間をコンクリートの壁がはばんでいるから、工事がまだ行われていない地点まで行かないと砂浜に廻りこめないからだ。
海と密接に関わって暮らしてきた、仙台湾岸の人々。これから海へ自由に行き来できるのかどうか、考え込んでしまった。

植え直し作業は2時間ほどで終わった。「モニタリングネットワーク」の代表で、東北学院大学教授の平吹喜彦(ひらぶきよしひこ)(地域構想学)さんはこう話した。
『皆さんの努力で植物が仙台湾岸に里帰りできました。海辺の動植物が織りなすエコトーンは数千年の歴史の中、度重なる災害を生き抜いてきた。ふるさと再生のさきがけだ、今日植えた植物が防潮堤を覆うまでに育ってほしい』(了)

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック