2月14日 仙台市荒浜 ”海辺ににぎわいを!” 共感・賛同の輪 着実に拡がる

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住民グループ「荒浜再生を願う会」は、毎月第2日曜日に人の気配が消えた海辺ににぎわいを取り戻す活動をしている。この日は若者たちの歌声が海辺に響いた。東京で活躍するバンド「WACCI(ワッチ)」のメンバー3人がギターとパーカッション片手に特別参加した。”被災地でがんばっているグループを応援しよう”という携帯電話会社の企画で参加したという。
70人近い参加者が、イルカのヒットナンバー「なごり雪」などを、手拍子を送りながら楽しんだ。
『家がすべて流されまわりの風景はさびしいが、住民はじめ集まった人たちのあたたかさが何とも心地よい。また是非来たい』。ワッチのメンバーはこう話した。
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毎月1回の定例の活動を住民たちは「蘇生活動」と呼ぶ。海辺の暮らしを取り戻す、文字通り生き返らせようというものだ。住民たちの想いに共感し、賛同する人々の輪は回を重ねるたびに拡がってきた。現地に足を運び、荒浜の魅力に新たに気付いた方々でもある。この日は数か月前から共催するようになった「3・11オモイデツアー」の参加者だけで50人を越えた。

地下鉄東西線の荒井駅からバスを使わず、1時間半かけてノルデイック・ウオーキングで参加したメンバーもいる。やはり数か月前から参加するようになった、若林区南小泉の会社員、長南功一さん(43)が指導するグループだ。北欧のクロスカントリー・スキーの夏場のトレーニングが発祥。普通のウオーキングより20パーセント熱量を消費するという。
『荒浜の魅力に触れられるだけでなく、健康増進も。まだ7~8人だが「荒浜ノルデイック・ウオーキング部」を名乗ろうか』。長南さんは笑いながら話す。
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参加舎たちはまず海岸で恒例のごみ拾い作業をした。『キノコを見つけた』という声があがった。駆け寄ってみると確かに枯れ草に隠れるように小指ほどの小さなキノコが生えていた。荒浜の専業農家、佐藤善男さん(77)も加わって”食べられるかどうか”の議論。善男さんは当初”食用にならない”と否定的だったが、記憶をたどると寒い時期にも生える「寒たけ」で食べられるという。
かつて海沿いの松林にはこうしたキノコがあちこちに生えていたという。いったんは消えた海辺の自然が回復したことを示す嬉しい発見だった。

このあと「再生を願う会」のメンバー特製の豚汁と石がま焼きのピザを味わった。豚汁はカレー味。低気圧の接近で気温が上昇したため、熱々の豚汁を皆さん汗を流しながら楽しんでいた。
回を重ねるごとに好評なのが石がま焼きのピザ。
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ピザ焼き窯は貴田喜一さんがレンガを積んでつくった。写真下、右が菊地晃さん。左;佐藤千夏さん(23)は大学の料理教室で菊地さんの教えを受け、手伝いに駆け付けた。
2人のサポーターが舞台裏を支えている。仙台市青葉区のフード・コーデイネーター松崎きりえさんが、ピザ生地の麦粉、イーストを持ってくる。仙台市内の大手ホテルでシェフをしていた菊地晃さん(80)が、慣れた手つきでピザ生地を手のひらサイズに仕上げる。住民たちの思いに賛同しボランテイア奉仕を続ける2人である。
参加者が思い々々にトッピングをのせ、交代でピザを焼く。焼き立ての熱々のピザ、美味しいはずだ。トッピングも様々。あんこが焼き上がったこともある。
ホテルを定年となったあと、アフリカ・ケニヤに行って現地の人にパンやケーキの作り方を指導したという菊地さん。『毎月こうして荒浜に来て、みなさんの笑顔を目にするのが楽しみだ』。
海辺の暮らしを蘇生したい。住民の思いへの共感や、賛同の笑顔が着実に拡がっていく。(了)

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