8月21日 山元町 風力発電説明会 ”震災から復活した海岸に巨大な構造物 容認できない” 健康被害心配する声も

DSC_0653.JPG宮城県は山元町のおよそ3キロの海岸に最大12基の風力発電の導入を計画している。公募の結果、東急不動産株式会社が事業者に決まり、県と事業者による住民説明会が開かれた。冒頭の写真は「完成予想図」(宮城県の説明資料から)である。ただし予想図より風車の高さはおよそ50メートル高く計画されている。
計画では砂浜からおよそ50メートル、水深2メートル程度の場所に3枚のプロペラを持った風車を建設。1基当たり4、300kw、最大12基で51、600kwの総発電出力を想定し、2025年4月の運転開始を目指すという。

説明会には50人余りの住民が出席、景観への影響や健康被害を心配する声が相次いだ。
このうち女性の住民はこう訴えた。
「この地域は大震災の津波で大きな被害を受けました。復興はまだ途上にあり、誰もが疲れています。予定地の海岸は震災を乗り越えて復活した美しい砂浜が拡がっています。ここに50階建てのビルに相当する巨大な構造物が建ち並ぶことで、住む私たちはさらに大きなストレスを抱えることになりとても容認できません」
DSC_0645.JPGDSC_0651.JPG写真上;住民説明会。下:現在想定されている風車の大きさ(事業者の説明資料から)。
当初宮城県が明らかにした計画書では、風車の高さは150メートル程度とされていた。ところが今回事業者が明らかにした高さは195メートル。事業者は「風の力を有効にとらえるためこの程度の高さが必要だ」と説明する。山元町の海岸の風況では150メートルでは発電効率がよくないとの指摘も一部にある。
仙台市にある最も高いビルが31階で145,5メートルだから、宮城県内にはない高さの構造物が海岸に立ち並ぶことになる。

また、人間の耳には聞こえにくい低周波騒音による健康被害を心配する声が相次いだ。
これに対して事業者側は環境省が出している指針などを根拠に、「一般的にいって健康に影響するほどの騒音レベルはない」などと説明した。
さらに、実際に運用されている青森県むつ湾沿いの風力発電所の騒音レベルを説明資料として示したが、規模がはるかに小さいことから、会場からは「意図的に予想される騒音レベルを低く見せているのではないか」といった不信の声があった。事業者側は「あくまでも先行事例を参考として示したが、誤解を招きかねなかった」と陳謝した。

さらに、予定地の海岸では長さ150メートルの「ヘッドランド」というコンクリートの防護柵が建設され、砂浜が削られるのを防いでいるが、風車の建設でかえって砂浜が削られるのではとの疑問の声もあった。明確な回答はなかった。
DSC_0568.JPGDSC_0602.JPG写真上;花釜海岸のヘッドランド。下;住民グループの「スナガニ調査」(8月3日)。
特に、住民の間から〇山元町の海岸を再適地として選んだ理由。〇沖合の建設するのではなく、波打ち際50メートルとしたのは何故か。こんな疑問の声が相次いだ。
宮城県はこの点について、平成28~29年にかけ関係団体や専門家からなる「みやぎ洋上風力導入研究会」をつくって協議した。宮城県の沿岸を11のエリアにわけて検討した結果、山元町の海岸に決まった。こう説明したが、山元町が最適とした理由は明らかにしなかった。
また、その後設けた「地域協議会」で地元漁業関係者も交えて協議した結果、漁業権に影響の及ばない波打ち際に建設することにした。
このように経過説明に終始し、住民が心配する健康被害や景観、自然環境の保全などを考慮したかどうか明確な説明はしなかった。
DSC_0646.JPG説明会に参加した住民の一人は「私たちは必ずしも自然再生エネルギー導入に反対しているわけではありません。ただ、住民の不安にどう応えるのか納得のいく説明がない限り不信感がつのるばかりです」こう感想をもらした。

宮城県はこのあと今年中にも第2回目の住民説明会を開くことにしている。
一般論として、風力発電という再生可能エネルギー導入に異を唱える声は少ない。であればこそ地域の理解を充分にえて、地域と共生できる事業にする努力は欠かせない。(了)

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