7月5日 仙台市蒲生 ”ふるさとの山”は日本一低い日和山 元住民たちが山開き

DSC_0530.JPG蒲生海岸にある日和山は標高3メートル。国土地理院から「日本一低い山」と認定されている。大阪の天保山に日本一低い山の座を譲っていたが、東日本大震災の大津波で山頂が削られ返り咲いた。元住民たちでつくる「中野ふるさとYAMA学校」のメンバーたちが中心になって、震災後の2014年から山開きが行われてきた。7回目の今回は新型コロナウイルスの感染防止のため広く呼びかけなかったが、それでも50人余が参加した。
参加者は午前10時過ぎ旧中野小学校跡地につくられたモニュメント出発して、2キロほどの道のりを日和山へ向かった。途中、高砂神社で登山の安全を祈願した。リーダーが「落石に注意してください。クマにも注意が必要です」と笑わせる。クマのぬいぐるみを着たメンバーもいれば、チリンチリンとクマ除けの鈴を鳴らしながら歩く参加者もいる。
高砂神社は江戸期に創建された歴史をもつが、去年の夏ここから1キロほど北の場所から防潮堤の手前に移転させられた。蒲生地区を工場、事業所を誘致する地域につくりかえる仙台市の区画整理事業が急ピッチで進んでいるためだ。
DSC_0508.JPG蒲生地区には震災前1500世帯が暮らしていたが、住み続けている住民は内陸よりに10世帯足らず。工事用のトラックが行きかう道路脇には次々と企業の工場や事業所が建ち並び、まちの姿は日々変わる。仙台市によると、事業用地の90パーセントほどがすでに売却先が決まっているという。参加した元住民も「毎日のように景色が変わるので、私たちでさえここがどこだったか見当がつかなくなる」と嘆く。

かつてあった暮らしのこん跡は日々消えていく。
DSC_0522.JPGDSC_0518.JPG日和山は高さ7,2メートルのコンクリートの防潮堤をのぼった先、外側にある。30分ほどで蒲生干潟を見下ろす日和山に着いた。
背後で工事がすすむ防潮堤より確かに低い。でも、標高3メートルの登山道を踏みしめて山頂に立った参加者たちは,ばんざいをして登頂を喜び合った。全員の「登頂証明書」が渡された。
DSC_0523.JPG震災前の日和山は標高6,05メートル、神社もあり蒲生地区のランドマークだった。当初は防潮堤の敷地になり姿を消す運命にあったが、研究者や住民たちの要望で防潮堤の建設ルートを内陸側に最大で40メートルずらした(セットバック)ことから、防潮堤の外側に存続することになった。
元住民たちは「暮らしのこん跡が消えていくなかで、日和山は暮らしの記憶を伝える大切な”ふるさとの山”です」と言う。海浜性の動植物の宝庫で、国の特別保護区に指定されている蒲生干潟を観察する拠点ともなる。
ふるさとの歴史や自然を学ぶ拠点として大切にしたいという。元住民たちはここを訪れる人のために駐車場周辺にトイレを設けることなどを行政側に要望することにしている。(了)

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