12月22日 ”震災を伝え続ける” 宮城・岩手・福島の若者たちが熱く語る

DSC_0181.JPG東日本大震災の体験を語り継ぐ活動をしている若者たちのトークイベントが、仙台市の戦災復興記念館で開かれた。震災の伝承活動をしている団体や個人でつくる「3・11メモリアルネットワーク」が主催する若者トークの8回目。被災3県の若者たち10数人が初めて一堂に会し、日ごろの活動ぶりを紹介し合った。

東松島市出身で大学1年の武山ひかるさんは、大曲小学校4年の時に震災にあった。
DSC_0147.JPGDSC_0150.JPG武山さんは津波で両親を亡くした友だちをモデルに絵本を制作中だ。手書きの絵本だが、多くの人に読んでもらえるようデジタル化したいという。休みの日をつかって小学生などを中心に命を守るにはどうするかを伝える活動をしている。
子どもたちが楽しみながら学べるようゲームや話し合いをはさむ工夫をしているという。
「ここでクイズです」逃げる途中の男の子の絵を出し、「いま、あなたは何をしてやれますか?」と問いかけた。「タオルでしばってやる」、「水で洗ってやる」会場からの答えだ。
「制服を着ているときはネクタイが止血に利用できる」、「首に名札を下げているときはヒモも使える」武山さんはこんなアイデイアを紹介した。

岩手県大槌高校2年の佐々木結菜さんと、藤社(とうしゃ)彩乃さんは、震災を知らない子どもたち向けに紙芝居をつくった。
DSC_0154.JPGDSC_0155.JPG2人は当時小学校2年。やはり2年だった「大槌小学校のあっちゃん」の話を紙芝居にした。学校から山の中腹の公民館に逃げた。家が次々に津波に飲み込まれる。さらに上に逃げた。町には火の手が上がった。避難所ではどこかのおばあさんがおにぎりを持ってきた。しかし、人数にくらべ少ない。野球のボールくらいのおにぎりを4人で食べた。絵は美術部の仲間が手伝った。

あの体験を何とかして震災を知らない世代に伝えたいという熱意。「いざという時にどこへ逃げるか家族で決めておいてください」紙芝居の終わりに必ずこう話すという。

福島県浪江町出身で石巻市で働く清水葉月さん(26)は、震災当時高校2年だった。原発事故で「望まぬ避難」を強いられた被災者ならではの悩みを語った。
DSC_0159.JPG放射能濃度を知らされないまま、浪江町津島、川俣町、福島市とあてもなく避難して回った。二日後の13日、一般道路を10数時間かけて千葉県に落ち着いた。高校最後の1年は千葉で送った。しかし、周りは福島のことに触れようとしない。「なぜ福島のことを聞かないのだろうか。心を閉ざす時期があった」
名取市で被災児童らのケアに当たっていた心療内科医の桑山紀彦さんとの出会いが転機になったという。「みんなに思いを伝えてみたら」という言葉が語りずらさを感じていた心を解きほぐしたという。

清水さんはいま、石巻市の「子どもセンター らいつ」のスタッフとして働く。

「私たちは何故震災を伝えるのか」というテーマで討論が行われた。
DSC_0183.JPG左から永沼悠斗さん(石巻市出身・コーデイネーター)、雁部那由多(がんべなゆた)(東松島市出身・大学2年)、高木桜子さん(大槌町出身、NPO法人カタリバ)、清水葉月さん(浪江町出身)。
高木桜子(さくらこ)さんも、他の地域の人に思いが伝わらないもどかしさを話した。
「東京で震災のことを話し始めたら、”そのアピールね!”と突き放された。災害はどの地域にも起こりうることなのに、多くの人にとっては他人事なのだと感じてしまう」

「だからこそ”語り”が必要なのだ」と強調したのは雁部那由多さん。「関心を持ってもらうには”講演”ではなく、双方向のコミュニケーションである”語り”が必要だ」
コーデイネーター役の永沼悠斗さんもこう話した。「伝承活動は、伝える側と、承る(うけたまわる)=聞く側の双方がいて成立する」
震災を語り継ぐことの意義を改めて確認する4時間の語り合いだった。

五輪まで半年だという。”復興”の冠が付けられていることに東北に住まう多くが疑念を感じている。政治もメデイアもやがて五輪一色になる。フィーヴァーのなかで、8年前の出来事がなかったものとされることを東北は恐れている。
震災を語り継ぐ若者たちがまぶしい。(了)



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