11月7日 丸森町 ”耕野地域おこし”の拠点「やしまや」 浸水被害のり越え再開へ

DSC_0036.JPG丸森町耕野(こうや)の「いなか道の駅 やしまや」を訪ねた。町の中心部から南西へ直線距離で10キロ余、阿武隈川沿いの地域である。「やしまや」は地域の特産のタケノコやころ柿(干し柿)などを直売する施設。タケノコ堀りの体験会を28年も続けている、体験型ツーリズムのトップランナーでもある。
台風19号で目の前を流れる阿武隈川が氾濫した。1階の店内は床上1メートル63センチまで浸水した。地元の農産物を含め、店内に並べた
商品はすべて流された。経営者の八島哲郎さん(57)はじめ家族は2階の「柿ばせ(柿干し場)」で、押し寄せる水をかたずをのんで見守ったという。
川沿いの国道とほぼ同じ高さにあった倉庫やガソリンスタンドはひとたまりもなかった。阿武隈川に流れ込む支流の芦沢川には流された倉庫が横倒しになったままだった。
DSC_0046.JPGDSC_0050.JPG写真上:流された倉庫。下:ボランテイアの手を借りて店内の泥出しをした。
店舗はかつては国道とほぼ同じ高さにあった。1986年(昭和61)の「8・5豪雨」の教訓から、店は9年前に高台に新たに建設した。住居もさらに高い所に移築した。それでも店は被害を受けた。
国道の上、4メートルほどの高さに張られた電線に枯草がひっかかったままになっていた。押し寄せた濁流の高さがうかがえる。ここから100メートルほど下流のところで、阿武隈川が大きく右に蛇行している。流れがここでせき止められ氾濫すると地元の人は言う。

丹念に手入れしてきた川沿いのタケノコ畑も流された。川の近くで生えたタケノコは柔らかく美味しいという。しばらくは収穫できない。実は福島県境にある耕野のタケノコ、8年前の東日本大震災と福島原発事故で2年間出荷を規制された。ころ柿も風評被害に悩まされた。
ようやく立ち直ったところに浸水被害の追い打ちだ。

しかし、店内にたまった泥はのべ100人のボランテイアの協力でかき出した。寸断されていた簡易水道も3日前にはようやく試験通水にこぎつけた。八島さんは店舗は今月末には再開しますときっぱり。ころ柿作りも今月中には始めるという。
母親のふみさん(79)がこう解説する。「柿は葉っぱがついている間はだめ。葉が全部落ちたら収穫期」柿はまだ葉を付けていた。収穫期まであと10日程度か。
ただ、20年余続けてきた「ころ柿つくり体験会」は今年は中止する。柿農家でつくる組合の受け入れ体制がととのわないからだという。
DSC_0035.JPG道路事情が分からず阿武隈川沿いを走る国道439号線で「やしまや」を目指した。あちこちで路肩が崩れ、通行止めで何度か山側をう回した。

沢から流れてきた土砂で壊れた住宅をいくつか目にした。耕野地区では土砂災害で1人が亡くなった。
たまたま実家跡の様子を見に来た八巻栄一さん(79)は「私たちにはかけがえのない故郷だが、水害を機に地区を出ていく人もあるのかな」とまゆを曇らせる。ご自身も会社勤めなどで丸森町の中心部に居を移している。
DSC_0052.JPGだけど、八島哲郎さんは明快だった。

「人口減少を押しとどめるのはできないと思う。私のように住みたい人が住めばいい。この地の魅力を発信してファンを少しでも増やしたい」
タケノコ堀りの体験会は来春再開する。体験型ツーリズムは間違っていなかった。(了)


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