10月4日 山元町 洋上風力発電 事業者向けの現地説明会 地元には”区域変更”求める声も

DSC_0900.JPG山元町の海岸に宮城県が計画している洋上風力発電事業の、事業者向けの現地説明会が開かれた。説明会には発電事業や、発電設備の建設を手掛ける企業など14社が参加した。一行は高さは7,2メートルの防潮堤の上から、風力発電の風車が建設される予定の海岸を見て回った。
計画によると建設予定地は北隣の亘理町との町境から南へ3・5キロの海岸。波打ち際から50メートルの浅瀬に5000kw級の風車を9基建設する。風車は高さ150メートル、プロペラ(ブレード)は直径127メートルよいうものだ。宮城県は先月事業者の公募を始めた。来月、11月1日に締め切り、応募のあった中から11月中旬までに候補事業者を絞り込むという。
DSC_0827.JPGDSC_0906.JPG写真上:完成予想図、(宮城県の説明資料から)
現地説明で宮城県の担当者はこう説明した。
〇風況(年平均の風速)は、高さ60メートルで4・36メートル。〇風車は水深2メートル程度の海中に建設するので、砂浜の動植物に大きな影響は与えない。〇付近の海岸はサーファーの利用が多いので、地元との協議が必要だ。

参加した風力やバイオマス発電をてがける企業の担当者は「波打ち際なので、沖合に建設するよりコストはやすくなるのでは。持ち帰って検討する」と話した。
また、秋田県で陸上の風力発電施設を建設したという建設会社の社員は「風況が4・36メートルだと風力発電には厳しい感じがする。低気圧が来るとこの海岸は逆にかなり強風が吹くというのも気掛かりだ」こう話した。

説明会では地元住民でつくる「山元町震災復興 土曜日の会」のメンバーが現計画の区域での建設に反対し、区域変更を求めるチラシを配っていた。
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「土曜日の会」は、風力発電が導入されることはいいことだとする一方。山元町のわずかに残された貴重な砂浜の波打ち際に建設することは納得できないとする。
建設予定の牛橋川河口付近には幅150メートルほどの砂浜が拡がっている。
住民たちの案内で砂浜を歩いてみた。ハマボウフウが生えていた。震災直後は津波で砂浜の植物は一切洗い流されたという。震災から8年。ハマヒルガオや、ハマエンドウ、コウボウムギなどの海浜性植物が戻ってきた。
DSC_0912.JPGDSC_0916.JPG写真上:ハマボウフウの株。下:漂着したアカウミガメの死骸。
アカウミガメの死骸が漂着していた。甲羅の長さが約80センチ。やや若い個体だという。マイクプラスチックを大量に飲み込んで体力が弱まったのかも知れない。住民たちはこう推測するが死因は分からない。だが、年の10体前後は漂着するという。
震災前はアカウミガメが産卵のため砂浜に上がってきたという。砂浜の回復がすすめば、昔のように産卵が見られるかも知れないと期待する。

周辺の砂浜は東北でも有数のサーフ・スポット。休日には県内外から多くのサーファーが訪れるようになった。こうした豊かな自然の砂浜は交流人口を呼び込むための貴重な資源だと言う。
風力発電の建設予定地にはこうした自然海浜が拡がる。さらに南側の海岸は砂浜が失われ、テトラポットなどが並ぶ人工海浜が多い。建設区域はこうした環境負荷の少ない場所に変更すべきだ。「土曜日の会」はこう主張する。

宮城県は12月以降に開催する関係者による協議会や住民説明会などで、こうした声にも応えていくというが「おおむね4~6年後には発電開始」のかまえは崩さない。

山元町は温和な気候などからかつて「東北の湘南」と言われたが、震災で28・3%も人口が減少した。JR常磐線の再開が遅かったことや、集団移転事業が遅れたことなどが人口流出を加速した。魅力のある地域を取り戻すには交流人口を増やすこと。住民たちはこうした想いから地元に伝わる文化・芸能の再発掘や、交流施設づくりに取り組んでいる。山元町も先ごろ地元産品の販売施設を建設した。

住民・行政がともに交流人口の増加という途を歩み始めたかに見える山元町。風力発電事業がこうした地元の想い・努力に水を差すものであってはならない。(了)


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