8月28日 山元町 「洋上風力発電」導入 宮城県が計画 ”環境への負荷”心配する声も

DSC_0827.JPG山元町の沿岸に風車を建設する、洋上風力発電の導入を宮城県が計画している。写真は完成予想図(宮城県の説明資料から)。
それによると、〇東日本大震災を経験した宮城県は、自立的なエネルギーの確保が課題となっている。〇地球温暖化を招かないよう再生可能エネルギーの導入が必要だ。こうした観点から2016年から関係団体や、研究者などによる研究会・協議会を重ねてきた結果、風況など環境条件などから見て山元町を適地として洋上風力発電の導入を決めたという。
来月から発電事業者の公募を始めるのに先立って、この日山元町役場で漁協や、建設予定地周辺の行政区長などの関係者を集めて説明会が開かれた。
DSC_0826.JPG計画によると、建設予定地は北隣の亘理町との町境から南におよそ3キロメートルの海岸。波打ち際からおよそ50メートルの海中の5000KW級の風車を9基建設する。風車は高さ150メートル、プロペラ(ブレード)は直径127メートル。風車の間隔は安全性などを考慮してブレードの3倍がめどとされ、380メートルとする。
発電事業者の決定や環境アセスメントなどを経て、2024年には発電を開始したいという。

関係団体との話し合いを除けば、この事業計画が事実上公開の場で議論されるのは、6月末に行われた住民説明会に続いて2回目。温室効果ガスを排出しない自然再生エネルギーの導入には、いずれも肯定的な評価だったが、説明会でも疑問点の指摘が相次いだ。
海中ではなく陸地に建設した方がコストが下がる。また、ブレードが強風で折れるなどの事態を想定すれば、波打ち際から50メートルではなく、もっと沖合にすべきだといった指摘だ。

宮城県は「陸地だとまとまった用地確保が難しい」、「砂浜は県の環境保全地区のい指定されている。また松林は林野庁が植林事業をすすめている」いずれも難点があると答えた。
また、建設場所を砂浜から50メートルとした点については出席した漁協関係者が、「沖合だと漁業権の問題が出てくる。波打ち際は事実上操業しない海域になる」と説明した。
DSC_0819.JPGDSC_0808.JPG写真上:建設予定地の牛橋川河口付近の砂浜。
「牛橋河口は蒲生干潟、鳥の海と並んで海浜性の動植物の宝庫だ。工事で自然環境が損なわれる」とい指摘も出た。
これに対して宮城県は「砂浜が一時的に建設工事のための機械や資材の置き場になる。動植物への影響については事業者が実施するアセスメントを見たうえで検討する」などと述べ明言を避けた。

山元町沿岸の砂浜は潮流の影響で、20年前に比べると半分程度になったという。しかし、牛橋川河口付近は高さ7、2メートルの防潮堤の外側に幅100~150メートル、他の地域より広い砂浜が拡がる。付近は東北でも有数のサーフ・スポットでもある。

住民で東北工業大学名誉教授の田代侃(かん)さんは「この付近の砂浜は住民にとっても、生物にとっても大切な場所だ。それを破壊するのではなく、すでに砂浜がなくなって人工海岸になっている場所などに導入区域を変更すべきだ」と話す。
また、ある町議会議員は「6月の説明会で初めて事業計画を知ったが、町議会にはまだ何の説明もない」と批判する。

風力発電という再生可能エネルギーの導入に異を唱える声はない。であればこそ、地域の理解を充分に得て、地域と共生できる事業にするためにも説明をつくす必要がある。(了)

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント