5月18日 仙台市蒲生 「みんなが集まれる建物」 上棟式で祝う

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住民グループ「蒲生のまちづくりを考える会」の代表、笹谷由夫さん(72)が移転先に建設している建物の外壁、屋根が完成し上棟式が行われた。元住民や支援のメンバーおよそ40人が祝福に駆け付けた。施主の笹谷さんや、工務店の棟梁らが屋根の上から昔ながらのモチまきをして工事の安全と完工を祈った。
笹谷さんは七北田川沿いの自宅跡地に震災で亡くなった息子さんたちを偲ぶ観音像と、「舟要の館(しゅうよう)」と名付けた建物を独力で建て住民グループの活動の拠点となっていた。ところがこの敷地は七北田川の防潮堤の用地にかかるため立ち退きを迫られた。笹谷さんは当初立ち退きを拒み土地収用の手続きがはじまったが、
同じ蒲生地区内に代替地を確保することで宮城県と話し合いがついた。

移転先はおよそ500メートル北側、養魚場跡地に隣り合った民有地。広さはこれまでとほぼ同じ660平方メートルで、ここに140平方メートル(42坪)平屋の建物を建設した。
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平屋建てだが、奥に行くにつれて天井が高くなる方流屋根。天井部分には幅30センチほどの梁が使われた丈夫な造りだ。会議などができる広いスペースの他、小部屋を2つ。トイレや簡単なキッチンなどの水回りも整備する予定だ。
また、観音像は建物の横、海に近い部分に建て直す予定だが、現在地からいつ移転させるか時期はまだ決まっていない。これから内装などの取り掛かり来月には建物は完成する。
しかし、使い始める時期は未定だ。この地域へのライフライン、電気や水道の設置がまだなためだ。

新しい建物を笹谷さんは「舟要洞場(しゅうようどうじょう)」と命名することにしている。亡くなった2人の息子さんたちを偲ぶ「舟要観音」を守る社務所であると同時に、誰もが集える場所との意味を込めた。
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集まった40人を前に施主の笹谷さんがあいさつした。
「この建物は皆さんが集まれる場に、かつての蒲生の暮らしを少しでも再生する拠点としたい」。

笹谷さんは「舟要洞場」を自らの事務所として使う一方、利用を希望する団体などに貸し出すことにしている。
蒲生地区は大規模な工事で日に日に工場用地に姿を変えつつあるが、ここだけは人々の暮らしのこん跡を留める場として残り続ける。(了)

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