10月18日 山元町 鎮守の森を「ハーブガーデン」に

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山元町花釜地区の青巣稲荷神社。津波で社殿などが流されたが、仮社殿や鳥居が新たにつくられるなど再建がすすむ。神社に隣り合った被災跡地を、ハーブガーデンに生まれ変わらせようというプロジェクトが動き始めた。中心となるのは地元のNPO法人「ノワイヨノットハーバルアーツ」。
この日代表の岩佐新吾さん(55)と、プロジェクトを支援する普門寺住職の坂野文俊さん(55)の2人が、運び込んだ土で試験栽培用の花壇を整備していた。

ここはかつて宮司の自宅や畑のあった場所で、広さ数10アール。居住できない第1種災害危険区域に指定されている。表土が流され水はけが悪いため、まず30~40センチ程度土を入れて土づくりをする。その上で、来年春にはローズマリーや、ラベンダー、ミント類などのハーブを植える計画だ。周りですすむ農地整備が終われば、ハーブガーデンの面積も増やしたいという。
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岩佐さんは妻のゆみさんと仙台市でデザイン会社を営んでいたが、3年前に故郷に戻ってきた。
お年よりがこうつぶやいたのを耳にした。「かつては自宅の庭で草花を育てるのが何よりの楽しみだった。それが震災で一切流されてしまった」。
住民がともに集い、心安らぐ場所が欲しい。妻のゆみさんの専門知識を生かしたハーブガーデンづくりにたどりついた。計画を知った坂野住職が青巣稲荷神社を紹介してくれた。災害ボランテイアから青巣稲荷神社の宮司に転身した藤本和敏さんや、神社の総代、住民など70人ほどが支援の手を挙げてくれているという。

計画では、ハーブを渦巻き状に植えていく「スパイラルガーデン」を中心に整備する。オリーブの木を何本か植え、訪れた人々が集えるあずまやをつくる。さらにハーブを使ったクラフトづくりや、ワークショップもできる施設も作るという。
将来的にはハーブの生産・販売・クラフトづくりが住民だけでなく、外部から訪れた人たちも参加して楽しめる施設を目指したいという。

ハーブガーデンの予定地は海岸から500メートルと近い。実は海沿いでこのように大規模なハーブ栽培に取り組むのは、あまり例がないという。潮風でハーブが生育するのか、栽培に適した品種の見極めなども必用になると岩佐さんは話す。
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写真:左 坂野文俊住職。右 岩佐新吾さん。
NPO法人「ノワイヨノットハーバルアーツ」は来月1日の登記され正式にスタートする。「ノワイ」はフランス語で「一つの種子」。「ノット」は英語「で結び目」だ。
岩佐さんは「手作りで一歩一歩再建がすすむ青巣稲荷神社のパートナーとなれるのは嬉しい。誰もが憩える場所にしたい」と話す。
坂野住職はこう話す。「人と人を結びつける場が欲しかった。寺の本堂にある震災をくぐり抜けたピアノもこうした場でもっと役立つのかもしれない。山元町の本当の”復興”、まちづくりはこれからがスタートだ」。

本来、鎮守の森だったこの場所は、1年後にはハーブが咲き乱れるガーデンに生まれ変わっているかもしれない。(了)

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