12月17日 Intermezzo 仙台シンフォニエッタ演奏会 ヴィオラの豊かな音色が会場を魅了

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仙台シンフォニエッタの第39回演奏会が開かれた。会場は若林区文化センター。奇しくも、私たちが1998年5月30日に第1回演奏会を行ったのと同じホールである。設立したばかり。開幕したら聴衆よりステージ上の演奏者の方が多かったというのが、語り草になっている。正直なところ、演奏のレベルもまだまだだった。しかし、音楽を心から楽しんで演奏し、その喜びを多くの方々へ、という想いに誰もが燃えていた。メンバーが出演料を出し合い経費を賄う、入場無料という方式はそこからスタートした。
「初心 忘るべからず!」。原点を改めて確認する演奏会となった。

もう一つ大きな意味があった。設立以来私たちの中心にいた前代表の田所正路さんが9月に亡くなられた。開業医という忙しい仕事の中で、仙台シンフォニエッタの歩みを確かなものに育て上げたリーダーだった。
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右から2人目が田所さん、右端は小生。(今回のプログラムから)
演奏会は田所さんを追悼する献奏で始まった。田所さんが座っていたチェロのトップの席は空席にし、小さな花束を置いた。照明を落としたステージで私たちはバッハの「アリア」を演奏した。270人を越える聴衆の方々も、呼びかけに応えて拍手を控えて祈りをともにしていただいた。

A、コレルリの合奏協奏曲「クリスマス協奏曲」でプログラムがスタート。時節柄の選曲である。普通はごく小さな編成のバロックの曲を、倍以上の人数で演奏するアマチュア・オケならではの試みだった。仙台市泉区で製作所を営む林 裕希(ゆうき)さんから借用したチェンバロが典雅な音を響かせた。楽章の最後のコードがチェンバロのアルペジョで締めくられる。

続いて、J,S、バッハ「独奏ヴィオラと弦楽、通奏低音のための協奏曲」。独奏は仙台フィルの梅田昌子さん。私たちがよちよち歩きだった頃から、トレーナーとして演奏レベルの引き上げに努力されている指導者でもある。
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オケは人数をやや減らして演奏した。この曲はチェンバロ協奏曲、BWV1053として聴くことが多い。先日はFM放送でトランペット版を聴いた。しかし、音の伸びやかさや重音を演奏できるなど、ヴィオラ版がはるかに魅力的。弦楽器の中でも一番人間の声に近いという、ヴィオラの豊かな音色がホールに響いた。
ヴィオラか、オーボエ・ダモーレが原曲だとの説がうなづける。

第2楽章のシチリアーノがとりわけ聴きどころだった。マタイ受難曲のアリア・「我が神よ われを憐みたまえ」を彷彿とさせるメロデイを、ヴィオラがせつせつと歌い継いだ。バックのオケは奏者を半分にしてソロを浮き立たせた。

この曲は8年前の第24回演奏会で演奏したが、オケの出来がよくなく不本意な結果に終わった、特に私などが再挑戦をあえてお願いした経過がある。
実は梅田さんは去年の秋左手の指のトラブルで手術を受け、仙台フィルの定期演奏会を欠場したことがある。漢方系の療法の治療ミスが原因だという。回復されているが、協奏曲のソロを弾くとなればまた別。午前3時から「早朝練習を重ねた」と、打ち上げで明かした。

フィナーレは3拍子の舞曲。転調を繰り返しながらの舞曲が快調なテンポで進んだ。時折、ソロが2拍子の変則的なフレーズを演奏する。伸びやかな音色。これが世界に数本しかないという、トウルテのヴィオラの名弓が出すのかなと耳を傾けていた。

梅田さんおめでとうございます!ありがとうございます。
後半のメイン・プロはチャイコフスキーの「弦楽セレナード」ハ長調。
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この曲は4回目の挑戦。難しい第2楽章・ワルツの楽器間の受け渡しや、なかなか腑に落ちなかった第3楽章・エレジーの楽想など指揮者・日比野裕幸さんの指導で得心がいった。これまでで最もいい演奏だった。ただ、その3楽章でちょっとした小破綻が。
やはり、名曲は簡単に納得のいく演奏を許さない。リベンジの余地がまた残った。

アンコールはチャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」。弦楽四重奏曲を弦楽合奏版に編曲した名曲である。5年前の第29回演奏会でもこの曲だった。私はコンサートマスターだった。曲は静かに「アーメン」の祈りで終わる。ところが私のミスで「祈り」に移るフレーズを1拍早く引き始めてしまった。指揮者がなんとか辻褄をつけていただいたものの、私にはここ数年胸に残るおりのようなものだった。
アーメンが静かに終わった時、私にはこれで数年ぶりに借金を返せた想いだった。アマオケではよくあることと言ってはいけない。
「初心 忘るべからず」をひそかに誓った演奏会だった。

この後、2018年3月11日(日)に「3・11祈りのコンサート」でオケの中心メンバーとしてモーツアルトのレクイエムを演奏する。そして、第40回演奏会は2018年6月3日(日)、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」などを演奏する。(了)












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この記事へのコメント

2020年02月15日 00:40
私は20代の頃、40代の田所先生と不倫関係にありました。
聖人君子にはなれないと話していらしたのを覚えています。
田所先生との赤ちゃんを、身を斬られるような思いで諦めたことも1度ではありません。
私はそれが原因で、ある病気になり、30年経った今も内服治療をしています。
なぜ私だけがこんな思いを…と。
何年も思い続けた日々もありました。

先生を本当に好きでした。
ご冥福をお祈りする気持ちに偽りはありません。

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