12月9日 仙台市荒浜  海辺の銀河鉄道~”心の鉄道をつなごう!”

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涌谷の才人、高橋耕栄さん作の「切符」。
仙台市荒浜の里海荒浜ロッジで、「海辺の銀河鉄道」という風変わりな題名のワークショップが開かれた。宮沢賢治に惹かれる一人として、題名に誘われて足を運んだ。主催は「WE(ウイー)プロジェクト」、地下鉄東西線の開通をきっかけに、沿線の地域おこしに取り組む市民グループだ。
「荒浜に鉄道が通ったら」を切り口に被災地再生を考えようというもので、10数人が参加した。

WEプロジェクトの金 睦(こんむつみ)さん発案の、”荒浜駅発”の切符が配布された。自動改札や、ICカードの普及で今や懐かしい手触り。口火を切った。「私たちは地下鉄を荒浜まで延伸する運動をしようというものではない。”鉄道”をキーワードに荒浜ににぎわいを取り戻す方策を考えたい」。
元住民で「海辺の図書館」代表の庄子隆弘さんが、こう答えた。
「市バスは2回震災前の路線を走った。鉄道を走らせることはできないが、心の線路が荒浜につながって欲しいといつも思ってきた」。
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手作り切符が話題となった。「海岸清掃などのボランテイア作業参加者に切符を差し上げる。もう一度来ようというきっかけにもなる」。「地域通貨として通用させると、経済も活性化する」という提案もあった。

昔懐かしいハサミで切符にパンチを入れてはどうかという声もあった。そういえば賢治の「銀河鐡道の夜」では、「切符を拝見します」と、背の高い車掌が検札にやってきた。

「荒浜再生を願う会」代表の貴田喜一さんは、「震災があって初めて地元の良さに気付いた。ここには里浜の暮らしがあった。訪れた人に荒浜の良さを体得してもらうことが願いだ」。こう話した。

「荒浜につながる心の鉄道をつなごう」。「切符は地域をつなげる有効なツール」。
こうした点を確認し、今後も荒浜再生の具体的な取り組みを考えていくことになった。
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お昼休みには涌谷に伝わる「カボチャ餡はっと」と、「おうちパン」がふるまわれた。はっとはカボチャとアズキ餡が煮込まれ、ほどよい甘さで体が暖まる。私の田舎(青森・むつ)ではカボチャを冬至に食べると「中気に当たらない」と言い伝えられる。豊富なビタミンCの効用をいったもの。
「おうちパン」は泉中央でパン作り教室を主宰する香川桂子さんがつくったもの。ごく普通のトースターで手軽に焼けるという。豆や和風にノリを練り込んだものも美味しかったが、オリーブ・オイルを使ったイタリアのパン・フォカッチャが絶品だった。

午後からは埼玉から駆け付けた鉄道風景画家の松本忠さんの話と、奥さんの詩人・浅田志津子さんの朗読が行われた。
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松本さんは東北大学在学中の東北一周列車旅で、鉄道の魅力に目覚めたという。それ以来、絵画と写真で巡る
日本鉄道紀行を続けている。
「鉄道は地元の人には単なる”足”でなく、”たからもの”であることに気づかされた」。松本さんはこう語った。
確かに鉄道は単なるインフラではない。地域の人々の心をつなぎ、さらに地域同士をむすぶ”たからもの”なのだ。テレビの交通情報で「災害のため不通となっている区間は次の通りです」というアナウンスが流れる度に、”たからもの”を奪われた人々の胸の内に想いを馳せ、心が痛む。

荒浜に鉄道のレールはない。でも、黄色の旗がなびく「里海荒浜ロッジ」が駅・プラットホームに見えてきた。人々の想いが集まるプラットホームに。
震災から6年9か月、着実な住民たちの歩みがある所には、共感の輪が集まる。(了)

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