10月12日 山元町 地元ブランド目指すマコモダケ 今秋は不作で”足踏み”

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山元町花釜地区の「ないとうファーム」、農園主の内藤靖人さん(32)がマコモダケの手入れ作業をしていた。マコモダケはイネ科の植物マコモの根元の茎がふくらんだ部分を言う。マコモは草丈が2メートルを越える。寄生する黒穂菌の作用で、茎の一部が肥大化し、この部分が食用になる。長さ30センチ、太さ7~8センチの白い作物だ。
タケノコに似た食感だが、スイートコーンのような甘味がある。素焼きや天ぷら、チャーハンなど中華料理にも合う。
東南アジアなどでは広く食材として利用されてきたが、日本に入ってきたのはごく最近のこと。宮城県内でも栽培している農家は数えるほどの珍しい作物だ。

内藤さんは埼玉県出身。東日本大震災後ボランテイア作業で訪れたのをきっかけに、山元町に移住し2014年春から野菜を中心に農業を始めた。
農業の経験はゼロ。半年間研修を受けたのを除けば、周りの農家の人たちから教えてもらいながらの営農だった。誰も手掛けていない作物をと考えていたら、地元の人からマコモダケのことを聞いた。伝手を頼って岩手県の農家から苗を譲り受け、一昨年から栽培を始めた。

マコモダケ、3年目の出来は散々だった。
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5月初旬、30アールの畑にマコモを定植した。イネと同じようにマコモは分けつし、1本の苗が5~6本の株になる。このうち何本かにマコモダケができる。
9月下旬から収穫が始まった。ところが、去年は180㎏ほど採れたのに、この秋はこれまで出荷できたのは20㎏程度に留まる。収穫は間もなく終わるが、この先の収穫量も多くは望めないという。

この夏の長雨の影響が大きい。仙台では7月下旬から36日間雨が降り、東北地方が飢饉に見舞われた昭和9年を上回る観測史上最長を記録した。日照時間が少ないため、マコモダケがふとる時期の積算温度が不足したためではないか。内藤さんはこう話す。台風で倒れた株も多かった。

出荷先も、山元町内のスーパーマーケットや、直売所の他、今年は新たに仙台駅前のJR直営の農産物直売所が加わった。「マコモダケを欲しい」という注文も届くようになったが、今年は十分応えられないという。

マコモダケを山元町特産の作物としてブランド化しようという試みも足踏み状態だ。
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イネ科のマコモは本来水田での栽培に適している。畑には近くのため池からポンプで水を上げて流したが、充分ではなかったという。来年は田んぼを借りて収量を増やしたいと内藤さんは意気込む。

未経験だった農業に飛び込んだ理由を尋ねたのに対し、内藤さんはかつてこう答えていた。
『山元町は震災後人口が激減したが、人を呼び戻すには基幹産業である農業を立て直すことだ。私がモデルとなって農業を目指す若者が増えるきっかけになれば嬉しい』。

目標の達成度を聞いた。
「周辺の地域から一緒に農業をやろうという仲間が2人あらわれた。大型のトラクターなどを何とかそろえ、現在90アールの経営規模を増やし、地域の再生に少しでも力になりたい」。
内藤靖人さんはこう夢を語った。(了)


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