10月6日 仙台市新浜 ”メダカ米”の稲刈り 夏の長雨に耐え輝く稲穂

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メダカが泳ぎまわる田んぼで育った”メダカ米”の稲刈りが始まった。仙台市新浜の遠藤環境農園を主宰する遠藤源一郎さん(65)が育ててきた。午前中は南蒲生地区に借りた30アールの田んぼで刈り取り作業をした。甥で専業農家の山田良一さん(40)がコンバインを動かした。周りの田んぼでは9月中頃から収穫作業が本格的に進んでおり、遅めの稲刈りだ。
農薬を一切使わない水田にメダカを放す栽培法は、安全・安心なだけでなく仙台平野に根付いていた生物多様性とも共生した米作りだ。震災後の2014年から取り組み始め、今回が4回目の出来秋だ。
「うまく育ったかどうか、稲刈りの日はいつもドキドキ」、という遠藤さんだが、ほっとした様子だった。この夏仙台は36日間連続で雨が降り、大飢饉に見舞われた昭和9年を上回る観測史上最長の記録となった。「サムサのナツハオロオロアルキ」(宮澤賢治)を思わせる異常な夏だった。この苦境に耐えた品種・ヒトメボレ、”メダカ米”の稲穂は秋の日差しに輝いていた。
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あぜ道を歩くとイナゴが盛んに飛び跳ねる。無農薬なので周りの田んぼより多い。子どもたちがイナゴを採らなくなったのも影響しているのかも。

今年の田植えは6月6日。周りの田んぼより2週間程度遅かった。メダカ米の栽培には深さ10センチ程度の水が必要なので、植える苗は深水に適応できるよう通常より大きく15~20センチに育てなければならない。その分田植えと、稲刈りも遅くなる。田植えから8日後、6月14日に2か所の田んぼにそれぞれ100匹ほどのメダカを放した。稲はメダカとともに育ってきた。

刈り取ったイネをかざして見て、遠藤さんが「やはり粒が少ない」とつぶやく。
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1粒の苗から採れる米は日本列島に渡来した弥生期には400粒程度だったが、栽培方法の改良で現在は2000粒にもなる。1粒が数100倍~1000倍になるのだから、イネがいかに投機的な作物であるかが分かる。イネを知った日本列島の住民が、縄文の狩猟・採取経済を捨てて、またたく間に北日本にまで栽培範囲を広げた訳がうなづける。

遠藤さんが手にしたメダカ米は1本の茎で150粒程度、100粒くらいしかないものもある。完全無農薬のメダカ米ではこれが標準だという。通常の収量は10アール当たり10俵(60kg)とされるが、メダカ米は5~6俵程度。「手間がかかる割には収量が落ちるが、その分美味しさが詰まっているはず」。遠藤さんは胸をはる。

ここの収穫作業は午前中で終わった。もう1か所17アールの田んぼの稲刈りも午後には終わった。

これから乾燥や、精米などの作業が続くが品質管理には気を使う。JAで等級検査を受ける時が「また、ドキドキの瞬間」だという。親戚と共同で実入りの悪い乳白米や、カメムシの被害を受けたはん点米などの不良米を選り分ける機械を導入したという。
「仙台岡田メダカ米」のブランドは、ようやく仙台を中心に消費者の方々に知られるようになってきた。これまで通りの1等米の認定をもらって、安心してメダカ米を食べてもらいたいと話す。

悩みの種は今年の作付面積が去年の4分の1に減ったこと。水田の多くが,ほ場整備の工事で耕作できなかったためだ。販売できる米が少ないので、希望する方々全部に行きわたらないことを遠藤さんは心配する。
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イネと一緒に田んぼで泳ぎまわっていたメダカは9月中旬に回収した。水をゆっくり抜き、水抜き口に集まってきたメダカをすくい上げた。200匹放したのが、10倍程度に増えていたという。多くは農業用水路などに放してやった。遠藤環境農園の小さな池「メダカの学校」では、来年の米作りに備えてメダカたちがひと冬を越す。
ほ場整備が終わったため、来年のメダカ米の作付け面積はふたたび1,8ヘクタールの広さに戻るという。(了)
*遠藤環境農園;090-4630-8344 (022)-762-6563

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