10月19日 石巻市雄勝  カキ養殖間もなく本格再開 ~地域再生へ着実な一歩

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石巻市雄勝の水浜でかき養殖を営む成澤漁業を、神奈川県の企業経営者のグループが訪ねてきた。神奈川県厚木市にある、内陸工業団地の工場経営者ら17人である。震災直後から雄勝地区を中心に支援活動を続けてきた、ダンボール製造・販売のコンポー(株)社長、歳原博幸さん(63)が案内役をかって出た。被災地の実情を知ってもらうためだ。
作業船、第51克丸で沖合のカキ養殖海面に向かった。成澤豊克さん(58)が操船。奥さんのふみさんも案内役で乗り込んだ。
この地区の養殖は全長100メートルのはえ縄を、浮き玉とアンカーで固定し、種カキをはさんだ長さ7メートルのロープを吊り下げる方式だ。引き上げ装置でロープを船上に上げる。大きく育ったカキが姿をあらわす。早速、ふみさんがなれた手つきでカキの殻をむく。
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この夏は海水温が25度という日が異常に長かったという。松島湾の養殖カキは高水温のため70パーセントが死滅した。しかし、この地区は松島湾に比べて水深が深い。また外洋に近いので海水の動きも大きく、こうした被害はなかった。生育は高温のためやや遅いものの、全体として順調だ。
殻をむいたカキはクリーム色でまるまるに育っている。美味しそうだ。しかし、これは素人判断。成澤さんはこう解説する。
今年は、高温のためカキの産卵が遅れた。カキは産卵に体力を使う。これから数日かけて、体力を急速に回復する。クリーム色から、パールのような透き通った白色に変わっていく。身がつまり、より美味しくなる。
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写真は、カキを保管する水槽。成澤さんと、右は歳原さん。
一行は、このあと完成したカキの処理場を見学した。水揚げしたカキは、殺菌した海水に22時間以上漬けて洗浄するなどの工程の説明を受けた。
神奈川県厚木市のコンポー(株)、歳原博幸社長は祖父母が雄勝出身。子どものころから夏には遊びに来て、よく
この海で泳いだという。雄勝に特別の想いがあった。震災直後から、被災者の引っ越し用のダンボール箱2万枚を提供するなど、雄勝を中心に支援活動を続けてきた。
地域経済を支えてきた養殖漁業も壊滅的な被害を受けた。こうしたなかで、歳原さんは良質のカキを育て、消費者に責任を持って届けるという成澤さんの経営理念に共感した。自力で生産再開を目指す成澤さんを後押ししてきた。

「カキの生産再開で少しでも雇用が生まれ、地域再生の一助になればうれしい」歳原さんはこう話す。
成澤さんは「皆さんの支援には本当に感謝している。美味しいカキを消費者に届けるのが、何よりの恩返し」と話す。
カキの処理場は食品衛生法の検査も終わり、許可証が間もなく届く。今月23日には操業開始野予定だ。震災前から成澤さんはカキの70パーセントは、注文を受けた消費者に直接販売する方式をとってきた。流通経費を省けるだけでなく、お互い顔の見える信頼関係を大事にしたいからだ。
このあとも、この方式をつらぬく。2年ぶりの「成澤のカキ」がまもなく消費者の許に届く。(了)
*成澤漁業;〒986-1321 石巻市雄勝町水浜37-3  (0225)61-3388  

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