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zoom RSS 3月28日 石巻市・雄勝 「子どもたちが震災と向き合う」 元教師が学校での実践記録を出版

<<   作成日時 : 2018/03/30 10:26   >>

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元雄勝小学校教師の徳水博志さん(64)が「震災と向き合う子どもたち 心のケアと地域づくりの記録」と題した本を出版した。雄勝地区は20メートル近い津波で壊滅的な被害を受けた。小学校にいた児童の犠牲者はなかったが、震災後児童数は減り間借りした内陸部の学校で授業を続けた。そこでの2年間の授業の記録をまとめた。
冒頭に掲載された5年の女子児童の詩が胸を打つ。震災の翌年に書かれた。

『わたしはわすれない  五年七海(ななみ)
わたしはわすれない
ガソリンスタンドのおじさんが
走ってきて 助けてくれたことを

わたしはわすれない
豆腐屋のおじちゃんが
みんなを避難させて
自分だけは津波に流されたことを』

「七海さんは自分の震災体験を≪対象化≫し、震災とは自分にとって何だったのかと、≪意味づけ≫ています。」(本書 132ページ)
詩はこう結ばれる。

『わたしはわすれない
こわされた家を 流された命を
助けられた恩を 人のあたたかさを

わたしはわすれない
大震災の記憶の すべてを』

「震災で奪われたものがある反面、奪われなかったものもあることを具体的に上げています。その記憶を心に刻みつけ、震災を後世に語り継いでいく決意と力強く歩む決意を述べています。」(本書 同)

こうした子どもたちの心の動きに寄り添い、促すことを徳水さんは「復興教育」と名付けた。定年退職までの2年間、総合学習の中で授業を行った。詩は授業の中で生まれた。
震災後、被災児童の心のケアがと、カウンセラー要員の配置が叫ばれていた。
「(その反面)学校関係者からは「震災には触れないようにしよう」、「心の傷口を拡げるようなことはしていけない」といった声をよく聞きました。〜〜学校の教師が授業で被災児の心のケアに取り組んだ例は、数えるほどしかありません」(本書 183ページ)
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写真上:雄勝のまちづくりを考えた児童のジオラマ。下;共同製作の木版画「希望の船」。
「子どもにとって故郷とは、自分を育ててくれたゆりかごであり、記憶の中に堆積して自分の人格の一部を形づくっています。〜〜自分と雄勝の≪関係性≫を再構築し、その作るという行為で自分自身が癒されるのではないかと考えました」(本書 148ページ)

復興教育の二つ目の柱が、地域のことを考え、地域の復興に参加することだった。
がれきに覆われ、緑が失われ一面茶色と化した、雄勝の未来の姿を子どもたちとともに考えた。出来上がったまちづくりプランは、町の旧中心部には花畑などの観光農園や、「海のえき」を作る。防潮堤はこれまでと同じ高さにし、公共施設は山寄りの場所にまとめて整備する。住民代表などでつくる「まちづくり協議会」で発表し、参加者に感銘を与えた。

ところが、行政側は反対の声を押し切って、9,7メートルの防潮堤の着工に踏み切った。子どもたちの夢はあえなくつぶれた。しかし、オリーブ畑をはじめ「ガーデンパーク構想」という形で復活したと徳水さんは言う。

震災から7年、子どもたちは大学に入学する年齢となった。雄勝へ戻ってきた人はいない。全員が会社勤めや商店の子弟だった。雄勝にはかつての雇用の場がなくなったためだ。
しかし、卒業生の一人は雄勝地区で地域再生に取り組んでいるNPO法人で働きだした。また、もう一人は大学で、地域づくりを学ぶ学科に進学した。
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「震災直後はテレビからコマーシャルが消え、日本全体が喪に服しました。震災を機に日本全体が生まれ変わるのではないかと、多くの人が期待しました。ところが、時間の経過とともにその期待は裏切られ、震災以前にもまして経済至上主義の社会に逆戻りしていきました。その波は学校にも押し寄せてきました。被災校でも「学力向上」が強調され始め、子どもたちは旧秩序の学力競争の世界に連れ戻されていきました」(本書 11ページ)

自らの教育実践を振り返って徳水博志さんは、こう話す。
「確かに震災で子どもたちの学習環境は悪化したし、不登校も増えた。だからこそ、必要なのは生きることと学ぶことが結びついた「本物の学力」を育むことだ。その出発点は震災と向き合うことだと思う。
震災から7年、被災地の復興はまだまだ途上だ。被災地独自の学力観を持つべきだ」。
いまも耳を傾けなければならない提言だ。(了)
*「震災と向き合う子どもたち」(新日本出版社、1800円)。

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