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zoom RSS 7月23日 Intermezzo ”チェロの豊かな音色”会場を魅了 仙台シンフォニエッタ演奏会

<<   作成日時 : 2017/07/27 12:06   >>

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仙台シンフォニエッタの第38回演奏会が開かれた。春と秋、年2回の演奏会。通常は5月か6月だが、会場確保が難しく暑さ真っ盛りの演奏会となり、夏らしいプログラムにした。指揮者は引き続き宮城教育大学教授の日比野裕幸さん。元仙台フィルの首席クラリネット奏者である。
幕開けはモ−ツアルトの「フィガロの結婚」序曲。当時の貴族社会の封建性を皮肉った痛快な喜劇だ。ピアニッシモで始まる冒頭から「何かワクワクすることが起こるぞ!」という期待を膨らませる。コーダ(終結部)へつながる14小節の長いフレーズは、ヴァイオリンが階段状の上昇音型を弾いて、ひそひそ話が次第に大きな声になっていく様子を表現する。
5分足らずだが、天才モーツアルトの面目躍如、痛快な曲だ。私たちも”痛快”に近い語り口で演奏できたと思う。

続いて、J、ハイドンのチェロ協奏曲第2番、ニ長調。チェロ独奏は仙台フィルの首席奏者・吉岡知広さん。仙台市出身で29歳、私たちのたっての希望でソリストを引き受けていただいた。
チェロ協奏曲の名曲の一つに数えられるこの曲は、古典派の完成者で謹厳なイメージがつきまとうハイドンとは思えない華やかなパッセージを独奏チェロが奏でる。曲のすばらしさはもとより、吉岡さんのチェロは息を飲む見事さだった。

第1楽章の終結部のカデンツア(即興性、技巧性を兼ね備えた独奏部分)。低音から高音部まで指が指板の上を縦横に駆け巡る。ヴァイオリンでも高音は難しい。こちらは指の運びが目に近づくのに対して、チェロは反対に目から離れていく。音程の決め方はその分難しいと思うのだが。難しさを感じさせずに楽々歌っていくところが名手たる所以だ。
アダージョ、歌謡風の第2楽章をはさんで、終楽章はロンド。テーマが繰り返される度に、チェロが少しづつ形を変えたパッセージで踊りの音楽を弾ききった。

拍手が鳴りやまなかった。何度かのカーテンコールのあと、指揮者の日比野裕幸さんがソリストと何か話している。吉岡さんが頷いた。アンコールに応えるという。事前の打ち合わせにはなかった。
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サン・サーンスの「白鳥」を弾き始めた。組曲「動物の謝肉祭」の第13曲。ピアノ伴奏がつくが、今回は無伴奏。静まり返ったホールにチェロの豊かな音色が響き渡った。

伝説のプリマ、アンナ・パブロワがこの曲に振り付けた「瀕死の白鳥」を舞ったことでも知られる。
無伴奏だが、静かに湖面を泳ぐ白鳥の周りのさざ波を表すピアノの音が耳の奥で鳴っている。ホール全体がかたずをのんで耳を傾けているのが分かる。冬枯れの湖面をただ一羽泳ぐ、白鳥の気品と孤独を伝えるチェロの音色に思わず涙がこぼれそうになった。
演奏が終わるのが惜しかった。

休憩をはさんで後半は、メンデルスゾーンの交響曲第4番、イ長調 「イタリア」。
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ヨーロッパ・アルプスの北側に住むゲルマンの人たちは南の国、イタリアにあこがれた。文豪ゲ-テをはじめ、少年モーツアルトはイタリアへの道、ブレンナー峠を馬車で往復した。メンデルスゾーンも21歳の時にイタリアへ向かった。そのときの印象をもとに作曲したのがこの曲とされる。しかし、事情はやや複雑で、第2、と第3楽章はイタリア旅行の直接の産物ではない。

第1楽章、八分音符を刻む管楽器にのって、ヴァイオリンが軽快なメロデイを歌い出す。アルプスを抜けてイタリアの抜けるような青空の下をひた走る馬車を思わせる。
所々にヴァイオリンが”裸で”歌う難しいパッセージがあり、アマオケには鬼門とされるが、なんとか無難に演奏できた。
ボヘミアの巡礼者の歌に着想をえたという第2楽章、ドイツの森の雰囲気をたたえた第3楽章をはさんで、終楽章はサルタレッロ。イタリアの民俗舞踊だ。
途中からナポリ周辺で生まれた急速な踊り、タランテラのリズムも加わり、熱狂的な雰囲気を盛り上げ曲を終える。

実はこの曲は2005年5月の第15回演奏会でも演奏した。リベンジである。夏にふさわしいということで選んだが、テンポは早い上、どのパートにも細かく動く難しいパッセージがあり、結構大変な曲なのだ。

終演後、第15回、今回とも聞いたという知人に感想を伺った。「前回はともかく底抜けに明るい曲という印象だった。今回は今日の天候のように(雨模様だった)明るさはやや影をひそめていたが中身の詰まった演奏だった」。
合格点だという。嬉しかった。私たちの演奏は着実に進化している

今回はもう一つ意味のある演奏会だった。私は前回限りで長年続けてきたコンサート・マスターを新しく入団した若いメンバーに引き継いだ。最初の演奏会だ。私はファースト・ヴァイオリンの3プルト目(前から3番目)で演奏した。新体制がうまく動いた演奏会でもあった。
私を含め、創立以来の高齢のメンバーも多く、「私たちは別名、SOS=シルバー・オーケストラ・オブセンダイです」。こう冗談めかして話したこともあるが、これで私たちのオーケストラも十分に持続可能な団体になったといえる。
次回の演奏会は12月17日。そして2018年3月11日には再び「祈りのコンサート」。5回目のモーツアッルト;レクイエムを演奏する。こちらでは私が引き続き、コンマスを務める。(了)
*写真はいずれも、当日ステージマネージャーを務めて下さった、野村興保さん撮影。

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