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zoom RSS 2月17日 仙台市蒲生 「舟溜り・お蔵跡の遺構」の保全 住民たちが要望

<<   作成日時 : 2017/02/17 16:07   >>

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「舟溜り」石積みの発掘調査(2016年8月)。宮城野区蒲生地区では、去年の8月江戸期に作られた舟溜りの石積みが発掘調査で確認された。貞山運河を通って舟で運ばれてきた米や塩が、いったんここで荷下ろしされ小舟に積み替えられ仙台城下へ向かうための施設。仙台藩の「米の道」の重要な中継施設だった。石積みなどの遺構は確認後埋め戻されたが、この一帯は企業を誘致する事業用地を生み出す区画整理事業が行われており、一部区画について進出企業の公募が始まった。
蒲生地区の元住民でつくる「蒲生の貞山運河を未来に伝える会」では、貴重な遺構を保全し将来に継承するよう求める要望書を仙台市に手渡した。
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会のメンバーは高砂市民センターで続けられている「中野ふるさと学校」で学ぶ住民たちが中心。現地見学会や、研究者の講演会に参加する中でこの遺構を後世に残すことが元住民の務めだと会を結成をした。今日は代表7人が蒲生の元住民282人から集めた署名簿と要望書を仙台市の担当者に手渡した。

この中で住民たちは、
○私たちは震災で多くの人命と財産を失ったが、集団移転もほぼ完了し、失われるふるさとの将来について考える心の余裕がでてきた。
○発掘された石積みなどの遺構の見学会に参加し、遺構のすばらしさに改めて驚いた。
○企業誘致によって産業活性化をはかるだけでなく、同時に貴重な歴史遺産を将来に残すことも仙台市の大事な仕事である。
こう述べたうえ、
『舟溜り、お蔵跡を含む貞山運河遺構一帯を埋蔵文化財のまま保全し、将来公園化するなど、のちの世代にふるさとの歴史遺産を継承する』よう要望した。
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写真上;舟溜り遺構の見学会(2016年10月29日)。下;舟溜りと、お蔵の想像復元図(旧中野小学校教諭・新関昌利さん作成)。
参加した女性はこう訴えた。「震災ですべて失くしたし、主人も亡くなった。しかし、発掘された石積みを見た時、私たちの周りにはこんな素晴らしいものがあったんだ。子どもたちに何としても伝えていかなければと思った」。
「生まれも育ちも蒲生。貞山運河でシジミを採った。夏祭りや映画会の会場となり、暮らしの中心が貞山運河だった」。住民たちはふるさとの歴史遺産の保全を口々に訴えた。

蒲生北部整備課の石戸寿一課長はこう答えた。
「皆さんのふるさとへの想いは重く受け止めたい。遺構の文化財としての価値は十分認識しており、できるだけの配慮をしたい」。
一方、仙台市教育委員会文化財課の長島栄一課長は次のように述べた。
「ふるさとを失った皆さんが、かつての暮らしやなりわいを掘り起こし、大事にしようとする想いは痛いほどよくわかる。遺構が壊れないよう事業担当には要望しているし、遺跡を残すことが私たちの仕事だ」。
行政担当者の受け答えは、通り一遍のものではなく住民の想いを受け止めたものだった。

来月から進出企業の公募が始まるのは、5区画、合わせて19ヘクタールで、舟溜りとお蔵跡のある地区は当面対象とはなっていない。今後の公募計画などについて石戸課長に尋ねた。
Q;「遺構のある区域はいつ公募するのか?」
A;「私たちは区画整理の事業担当で、公募は経済局の担当なのでなんとも言えない。一般論としては今回の第一回の公募にどの程度応募があるのかなども関係すると思う」。

蒲生地区の遺構の保全について行政側の姿勢が明確になった訳ではない。しかし、北上川から阿武隈川まで全長49キロの貞山運河については、宮城県が「貞山運河再生・復興ビジョン」をつくって観光面での利活用も含め検討している。また、各地の民間団体なども、それぞれの地域の実情に見合った再生・利活用の検討をすすめている。仙台市の蒲生地区だけが全体の方向の埒外でいいはずはない。まして、蒲生の舟溜り、お蔵跡は貞山運河全体でも第一級の歴史遺産である。

住民たちの今日の申し入れが、貞山運河の保全を考えるうえで意味のある一石になったことは間違いない。(了)

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