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zoom RSS 12月17日 仙台市蒲生 「舟溜り・お蔵跡」の遺構」 保護の必要性を確認〜関係団体が会合 

<<   作成日時 : 2016/12/19 11:22   >>

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蒲生・貞山運河沿いの「舟溜り・お蔵跡」想像復元図(郷土史研究家・新関昌利さん作成)。蒲生地区の「舟溜り(ふなだまり)」と「お蔵跡」は貞山運河を平田舟で運ばれてきた米や塩などの物資を、仙台城下に運ぶための中継施設だった。江戸初期につくられた。施設は昭和40年代にすすめられた仙台新港の開発に伴い、貞山運河とともに埋められた。
仙台市の文化財課では舟溜りの発掘調査を行い、舟溜りの入り口にあたる石積みの遺構が40数年ぶりに姿を表した。調査は今月で終了し埋め戻される。蒲生地区一帯は企業を誘致するための区画整理事業がすすめられており、遺構があるこの地域も企業に売り渡す対象である。企業に売却された場合、地中の遺構が破壊されるおそれがある。
「蒲生の貞山運河遺構の今後を考える」という会合が開かれた。研究者や、貞山運河の保存・活用をすすめる民間団体、関係する町内会などの関係者およそ50人が参加し、遺構の保護の方策を話し合った。

貞山運河の研究を続ける東北大学工学部の後藤光亀准教授(土木工学)が基調講演をした。
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写真上:「舟溜り」南側入り口の石積み。(2016年8月23日)。下:後藤准教授の基調講演。
後藤准教授は全長49キロの貞山運河の北端にあたる北上・東名運河の研究や、遺構の保存・保護などにもあたってきた。蒲生の「舟溜り」のもつ意味について次のように話した。

「石積みの上部は安山岩を積み上げた「落し積み」で、近代以降つまり明治以降に修復されたものと考えられる。基礎部分は長方形に切りそろえた凝灰岩が2〜3段積み上げられている。「布積み」で近世、つまり江戸期に築造されたと見られていた。
ところが、石積みの技法は熊本宇城市の三角西港で採用された「ブラフ積み」と共通点が多い。三角西港は野蒜築港と並んで”明治三大築港”とされ、明治20年に完成し現存する唯一の港だ。
蒲生の舟溜りの下部も明治期に行われた貞山運河の大改修に合わせて、当時の最新の技術で修復された可能性がある」。

後藤さんはこう解説した上で、次の点を強調した。
「日本の行政は時代がさかのぼり古いものほど価値が高いと考える傾向がある。時代が下がると歴史的な価値が薄くなるというのは誤りだ。三角西港は日本の近代化を支えたとして、去年世界文化遺産に指定された。未来の世代がどう受け取るのかというモノサシで歴史的な価値を捕える必要がある。
「舟溜り」と「お蔵跡」は藩米の8割を運び、仙台城下の人々の暮らしを支えた重要な施設だった。仙台新港に伴って埋められたが、そのこと自体が仙台市の経済発展を陰で支えた生き証人と言える。
お蔵跡を含め。地中の遺構が破壊されないよう保護するのは行政の当然の責務だ」。
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「舟溜り」、「お蔵跡」とも「埋蔵文化財包蔵地(ほうぞうち)」に指定されている。つまり遺跡とされている。しかし、用地を買い取った企業は工事にあたって、文化財課と協議することになっているが、地中の遺構の破壊を差し止められる規定はないという。
参加者からは
○「指定文化財」に格上げするよう働きかけ、保護策を強める。
○用地を買い取る企業の適否を審査する「事業者選定委員会」に文化財保護を考慮するよう求める。
○地元の町内会などが遺構の保護をはかるよう仙台市に申し入れるのを急ぐべきだ。

こうした意見が出された。これに対して、地元の住民からは蒲生地区は災害危険区域に指定され、住民の多くが移転した。かつての町内会は解散。住民からの要望を疑問視する声もあった。
確かに、行政がすすめた防災集団移転事業は住民を分断し、”ふるさとへの想い”を捨てるよう迫ったに等しいという指摘は頷ける。
震災から5年9か月。生活の再建が区切りを迎えるなかで、人々の間にかつての暮らしや、ふるさとへの誇りを取り戻そうとする動きが大きなうねりを見せ始めている。
蒲生の旧住人たちが高砂市民センターを拠点に続けている「中野ふるさと学校」がその一つ。外部の人々も広く参加して続けられる「3・11オモイデアーカイブ」という心強い応援団もいる。
「ふるさとを守る」という、誰しも抱く想いがさらに拡がろうとしている。(了)

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