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zoom RSS 10月28日 浦戸・野々島  ”島への賛歌”〜全校演劇で36人の小中学生 ひたむきに演じる

<<   作成日時 : 2016/10/29 23:41   >>

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全国でも珍しい「島の小中一貫校」・浦戸小中学校の全校演劇=ACTを観た。13年前から毎年1回、浦戸諸島の文化や自然をテーマにした演劇を公演している。今年は「海に咲く花」、会場は塩釜市の「遊ホール」。300席のホールは開演前から満席となった。出演する小中学生36人全員がスライドで紹介されたあと幕が上がった。

15歳の少女、海咲(みさき)はスマホを手放せず、親の言うこともよく聞かない。ある日、入院中の祖母・晴海(はるみ)の容態が悪くなったという知らせが入る。祖母が繰り返し言ってたのは、クルマユリのこと。浦戸諸島の石浜の「雨降り石」の近くに生えていたという。
明日はおばあちゃんの誕生日、6月24日だ。この日付がドラマの大事な伏線になる。

おばあちゃんのためにクルマユリを探しに、海咲は島に渡った。しかし、クルマユリは1本しかなかった。ただ1本残ったクルマユリを折ることをためらった。
人間たちが自然を壊していくことを非難していた、花や森の精霊たちが、海咲に同情した。クルマユリが沢山咲き誇っていた頃への「時渡り」を、龍神さまにお願いする。
龍神さまのセリフがいい。「島は人間だけのものではない。島はみんなのもの。タヌキやキツネなどの動物も、精霊たちも、みんなで生きていくのだ」。

夏休み明けから台本読みが始まったという。2か月ほどの練習でここまでこぎつけた。初回以来、仙台市の劇団「麦」のスタッフが演技指導の協力を続けてきた。
雷鳴とともに場面が転換する。
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写真上:左から2人目が海咲。下;龍神さまが”時渡り”を行う。
男の子どもたちはなんと「ズンドコ節」を、女の子たちは「港町13番地」を歌いながら遊んでいる昭和のレトロな雰囲気が。そう、昭和35年(1960年)にタイムスリップしたのだ。
”古くさい”歌を子どもたちは実にうまく歌っていた。
昭和の世で、海咲はそれと知らずに、祖母の晴海、祖父の大吉の若き姿と出会うことになる。クルマユリを欲しいという願いをみんな認める。1本の花を手に「時渡り」で現在に戻ろうとしたときドラマが生まれる。

「海に咲く花」の作者は一昨年まで浦戸小中学校の教頭を務めていた伊東穀浩(たかひろ)さん。今度で3作目だ。現在は南三陸教育事務所勤務。開演前に話しを聞いた。
「ACTの演劇はいずれも浦戸の島々へのラヴレター。ひっこみ思案で話もできなかった子どもたちがステージで大きな声を出せるようになる。”奇跡”という人もいるが違う。子どもにはもともと豊かな表現力が備わっている。島で暮らすことで、本来持っていた時計が動き始めるのです」。

タヌキのポン太、ポン子。ネコのミャオは小1・2の子どもたちが演じた。単なるバックの役ではなく。セリフもきちんとこなした。

「時渡り」で現在に戻ろうとした間際に大事なことが!
昭和の子どもたちは「明日は海に釣りに行こう」と盛り上がっている。海咲は明日、1960年6月24日はチリ津波が日本列島を襲った日だと気付く。海咲はおばあちんの晴海に「海岸から離れて!」と必死で叫ぶ。
クルマユリは昭和の世に置き忘れた。しかし、チリ津波の難を逃れたおばあちゃんからは「海咲ありがとう!」の声が、海咲の「おばあちゃん!」という声が響き合うなかで幕が下りた。
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36人の小中学生は浦戸の島々への賛歌をひたむきに演じきった。「時を駆ける少女」の音楽に乗って、全員がカーテンコールに応えた。演じきった自信と喜びにあふれた笑顔があった。
40歳台の主婦は「子どもたちが一体となって演劇に打ち込んでいる姿に感激しました」と、客席で目頭を押さえていた。

浦戸小中学校の斎藤博厚校長は「10日前に学校の講堂で行われた文化祭で1回公演をした。そこでの反省点を全員が自ら考え、いいステージを作り上げた。100点満点です」。こう表情を和らげた。

こうしたステージが拡がれば、”いじめで自殺”といった悲劇はなくなるはずだ。希望と期待の想いを胸に会場を後にした。
この国の教育関係者、行政の担当者は「島の小中一貫校」の36人が発信するメッセージに触れてほしい。(了)






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